【転勤妻の日常】第1話:「遠距離恋愛からの寿退社」そして知らない街へ~孤独からの第一歩~

淡いベージュの枠に囲まれたアイキャッチ画像。玄関の床に積まれた段ボール箱と小さな観葉植物が並び、中央上部に白い太字で「知らない街で、新しい扉を開けた」、左下に濃いグレーで『転勤妻の日常 #1』と配置されている。 転勤妻の体験記

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【シリーズについて】
このシリーズ「転勤妻の日常」は、学生時代から付き合っていた夫との結婚をきっかけに、見知らぬ土地で暮らし始めた私の生活記録です。孤独、不安、再出発——何もかもが初めての連続だった日々を、少しずつ書き綴っていきます。

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■ 遠距離恋愛のゴールは、夫のプロポーズ

私と夫は、学生時代から付き合っていたカップルです。大学卒業後はそれぞれ別の都市で働きながら、約2年間の遠距離恋愛を続けていました。毎月のように新幹線で会いに行く生活は正直しんどいことも多かったですが、それでも「この人と将来を共にしたい」という思いはどんどん強くなっていきました。

そしてある日、彼からプロポーズを受けました。思いがけないタイミングでの言葉に涙が止まらなかったのを、今でも鮮明に覚えています。結婚を決めた私は、それまで働いていた会社を寿退社し、夫の勤務地である地方都市へ引っ越すことになりました。

■ 引っ越し直後は、まるで“新婚旅行の続き”

引っ越したばかりの頃は、まさに新婚気分そのものでした。夫婦二人だけの生活は新鮮で、地元の観光地を巡ったり、美味しいものを食べ歩いたり。まだ子どもがいなかったので、週末はのんびりデートを楽しむ余裕もあり、「なんて幸せな時間なんだろう」と感じていました。

寿退社した後の3ヶ月間は失業手当も受け取れたため、金銭的にもそれほど焦らずに過ごせたのはありがたかったです。「この街の暮らしにも、すぐに慣れていけそう」——そんなふうに思っていました。

■ ゆっくり満ちてくる「孤独」の正体

しかし、数ヶ月が経つと少しずつ心の変化が現れてきました。夫は平日は朝早く出勤し、帰宅も遅い生活。一方の私は、家に一人でいる時間がどんどん長くなっていきました。スマホを見ても、LINEの通知は夫からだけ。気軽に会える友達も、頼れる家族もこの土地にはいません。

「私、今日誰とも話してないな」そんな日が続くうちに、なんとなく焦りや孤独を感じるようになっていきました。

■ 一歩踏み出してみた、派遣という働き方

「このままではまずい」と思い、私は派遣での仕事を探すことにしました。フルタイムの正社員ではなく、柔軟に働ける派遣というスタイルを選んだのは、土地に慣れていない自分にとってちょうど良かったからです。

実際に働き始めてみると、同じように夫の転勤で引っ越してきた「転勤妻」たちがたくさんいました。正社員として定職につくのが難しい立場の人も多く、「わかる~!うちもそうだよ~!」と共感し合える空間が自然と生まれていったのです。

彼女たちと出会ったことで、仕事終わりにお茶をしたり、週末に一緒に出かけたりする楽しみも増えていきました。「自分から動けば、ここでも楽しく暮らせるんだ」と思えたのは大きな気付きでした。

■ 知らない街は、怖くない。“自分で彩れるキャンバス”だった

あのとき、思い切って働きに出て本当に良かったと思います。知らない街での生活は、最初こそ不安でいっぱいでしたが、結局のところその街をどう楽しむかは自分次第なんですよね。

最初から全部うまくやろうとしなくていい。少しずつ、自分のペースでつながりを作っていけば、ちゃんと“居場所”は見つかります。知らない土地に不安を感じている方に、そんなことを伝えられたら嬉しいです。

▽ 次回予告:「派遣で見つけた“私の居場所”」

第2話では、派遣で働きながら得られた出会いや、日常の変化について綴っていきます。同じような環境にいる方のヒントになれば幸いです。

(前の記事はありません)次の記事:第2話「派遣で見つけた“私の居場所”」

コメント

  1. えーちゃん より:

    いつも楽しく拝見させて頂いております!転勤妻の日常も続編楽しみにしてます陰ながら応援しております!!

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